逆からの学び方(なぜ?の繰り返しで真相を深く知る。)

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 皆さんは河合敦という人をご存知だろうか?この後の文面での呼称に敢えて”先生”と付けさせてもらうが、民放の「世界一受けたい授業」でも度々出演されて歴史を解り易く解説されている方だ。現在、多摩大学の客員教授で元々は高校教師を27年程されていた本当の”先生”であった。

 書籍を読むキッカケは、テレビで観た影響が大きい。大体その筋の専門家となるとちょっと鼻にかけた口調になりがちだが、河合先生は流石教師だっただけの事があり、とても解り易く面白い。(教師のレベルにもよるが・・・)この何回かテレビで拝見した影響で書籍を読み始めた。

 今回紹介するのは、「日本史は逆から学べ」(近現代史集中講義)である。シリーズとしては、第二段にあたる。この本の一番の売りは「歴史を逆から読み解く」という事だ。これを謎解き方式如く「なぜ?」を繰り返しながら、そこに繋がった経緯を解説している。

日本史は逆から学べ 近現代史集中講義

河合敦 光文社 2018年11月08日
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 私は、学生を卒業してもう30年以上経つ。歴史が小学生の頃から結構好きで、教科科目の中でも成績は良かった方だ。あの時の興味と志を継続出来ていれば、今をときめく歴史家の河合先生始め、磯田先生、千田先生と肩を並べる事が出来たのでは?と淡く儚い妄想に耽りながら、先生方の書籍を読みつつ、妄想さえも打ち砕かれる知識の壁にただひれ伏すばかりだ。

 今回のテーマである「近現代史」は殆どの人がピンと来ない時代だろう。私が時代的に好きな「戦国時代」と比較しても、”興味がなかった”と言えば、その通りだが、一番近い時代なのに、どんな時代背景だったのかさえハッキリしない。又、戦国時代と並ぶ人気の時代である「幕末」。坂本龍馬は有名だが、ではその周辺の動きはどうだったかと言うと知らない人も多いと思う。

 それは「なぜ?」だろうか。普通どこの学校教育でもほぼ同じだろうが、歴史の授業は、”ヒトの起源”から教わる。その後、日本史では、縄文時代から弥生時代へと人類の進歩を歩むかの如く教わっていくが、何せ学生期間としての授業の時間にも限りがあるから、現代に近づいて来るまでに時間が無くなり教わる事がほぼ無いまま過ごすことになる。

 そういう観点からこの書籍は、「逆から学ぶ」という事に主眼が置かれ、遡っていく事で「なぜこういう事になったのか」を深く知る事が出来る。

 そしてこの本のスタートは何と言っても、今を時めく「安倍首相」だ。ここからペリー来航までを遡って読み解いている。今や超長期政権となった安倍政権。混沌とした現代ではあるが、なぜこの政権がずっと続いているのか?今、第二次政権として突き進んでいるが、第一次政権では、”腹痛”により政権開始早々に消滅した。第二次になってこんなに続くとは誰も思っていなかった筈。そこにどういうカラクリがあるのか?

 その後、時代は遡って昭和から大正へ。私は、1970年(昭和45年)生まれである。だが昭和初期にどの様な事があって今の平和な現代になったかは解らない。「大正デモクラシー?」聞いた事あるけど、たった15年(実質14年)しかなかった時代にどんな激動な場面があったか。全く無知だ。ただこの時代に何かしらの「動き」があったからこそ、今があると思うと時代の価値観さえ感じてしまうというのは、決して過言では無い。

 最近まで何度か訪れた事がある熊本県にある「田原坂」。日本で最後で最大の内戦「西南戦争」は1877年にあった。生まれる100年前に色々な激動の時代背景があった事に驚かされる。又、その時代の中に常に「天皇」の存在が現れてくるのが興味深い。奇しくも今日執筆している2月23日は令和時代の「天皇誕生日」だ。この書籍を読む事で一層天皇の存在を深掘りして知る事が出来る。

時代はさらに遡る。長く続いた江戸時代。「大政奉還」した”徳川慶喜”は、私の中で政権を投げ出した”軟弱者”というイメージだったが、実は”徳川家康の再来”と言われるくらいの”キレっキレ”の将軍だったのも知る事ができる。

 現代社会は、私を含め政治に無関心な人が多いが、常に時代を形作る骨格となっているのは、政治なのである。若い頃には、明治時代に生まれた人が存命である事に驚いていたが、私も三時代(昭和、平成、令和)を跨ぐまで生きている。令和もあと10年経つと完全に昭和生まれは、「近くて遠い昔の人」だ。未来ある人達を横目に見ながら、これからの時代にどう生き残っていくかの戦略を練る為にも「同じ轍を踏まない」為にもこの書籍は読んでおくべきだろう。

日本史は逆から学べ 江戸・戦国編

河合敦 光文社 2020年02月05日
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